子どものいる家庭の多くが体験するイヤイヤ期。
「自我の現れの証っていうけどどうやって乗り切ったらいいんだろう」と悩んでいらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
詳しく解説していきます。
イヤイヤ期とは
イヤイヤ期はずばり!脳の未発達によっておこる現象です。
人間生まれてすぐは脳の重さが400gしかなく、成人した大人の脳の重さが1300gに対して3分の1しかありません。
それだけ、未発達の状態で生まれてくるため、脳の発達段階の一つがイヤイヤ期です。

人間は前頭前野と言って、欲求を抑える抑制機能を担う働きをしてくれる箇所が脳に備わっています。人間はいろんな欲求を脳によって作り出しています。
前頭前野が成熟していると自分の欲求をコントロールして抑制することができます。
しかし、前頭前野が未熟な場合、欲求が抑えることができません。これがイヤイヤ期の正体です。
いつからいつまで?
早い子で0歳や1歳からイヤイヤ期に突入する子も。
1歳半には2人に1人の割合でイヤイヤ期に突入しているといわれています。
そして個人差はありますがだいたいは2、3歳児が一番ピークです。4,5歳ごろまでには収まってくることが多いです。
イヤイヤ期の対応は?
𠮟りつけるのは効果がない

イヤイヤ期の子どもが、イヤイヤしだしたときに、親は「ダメ」と𠮟りつけることが多いです。
アメリカで脳の抑制機能の発達の研究から、無理やり我慢させても欲求を抑える働きをする前頭前野は発達しないことが明らかにされています。
叱られると恐怖や不安をつかさどる脳の偏桃体という部分が働きます。
それにより一時的に「怖いから我慢しよう」と欲求は抑制されます。しかし、脳の抑制機能の発達にはつながりません。
納得して我慢する経験の積み重ね

脳の抑制機能の働きをよくするために必要なことは、子どもが納得して自分から我慢することを促していくことが重要です。
そのためには子どもにわかりやすいルールを作り、どうして我慢しないといけないのかを納得させることが効果的です。
例えば・・・
子どもがテレビを見たいといったときに「時計の針が5の所まで来たらおしまいね~」と約束させる。そして、ルールが守れたらほめてあげる。ほめることによって子どもは自信がついてまた頑張ろうという気持ちになれる。
こういった小さなルールを守る経験の積み重ねが脳の抑制機能の発達を育てる近道になります。
ごほうび”たまに”がいい

ルールを守ってもらうために子どもに頑張って接していても、泣き出したり、癇癪を起されると困ります。
そんな時に「これ我慢したら○○あげるよ」とごほうびを使うこともあるのではないでしょうか。ルールを守るための交換条件としてごほうび使い続けると、子どもの要求がエスカレートします。
常にごほうびをあげて癇癪を収めるのではなく、ここぞという時だけ使うようにしましょう。
なんでイヤなのか気持ちを聞く

泣いたり癇癪を起しているときは何が嫌なのか子どもに聞いてみましょう。
うまく伝えられないことが多いかもしれませんが、「自分で伝えてわかってもらえた」という経験が子どもの自信につながります。
なんとなくいやといっている理由が分かっているときは、「イヤだったんだね」と言葉で気持ちを代弁することによって、気持ちを受け止めてもらえたと安心につながります。
遠くから見守るのもあり?

外出先で、床に転がってジタバタして、動かないなんてこともイヤイヤ期あるあるなんじゃないでしょうか。
子どもはすぐに気持ちの切り替えができません。なので癇癪を起こしたら、落ち着くまで時間がかかります。
子どもの気持ちを聞いたり、ある程度声掛けしても泣き止まないようであればしばらく様子を見るのもひとつでしょう。
わかっていてもしんどい!そんな時には
「昨日できていたことが、イヤイヤ言い出してできなくなった」「5分で歩いて帰れるのにイヤーって言いだして動かなくなって30分かかった」などなど。
イヤイヤが毎日積み重なると、予定も狂うし、やらないといけないこともできなくなるし、「脳の発達段階なんだ」って頭ではわかっていてもしんどくなりますね。
とにかく寝る

疲れていると気持ちに余裕がなくなってきます。そんなときは家事もおいて寝てしまうのも一つの方法です。
自分を甘やかす

思いっきり子どものイヤイヤがひどかった日はとことん自分を甘やかしてあげましょう。
子どもが寝静まった後においしいスイーツを食べる、好きなテレビを見るなどパパ・ママではない自分の時間も楽しむようにしましょう。
ため込まない

誰かに話を聞いてもらって共感してもらうと心が軽くなることがあります。保育園の先生や職場の子育て先輩ママなど話しやすい人に話してみましょう。
身近な人に話すことが難しい場合は自治体の子育ての相談窓口やSNSの活用もいいかもしれません。
一人の時間を作る

日々のイヤイヤ期の対応でイライラが募って冷静が保てない。しんどくてたまらないというときは物理的に子どもから離れるのも一つの方法です。
パパ・ママ交代で協力して時間を作る、おじいちゃんおばあちゃんに協力してもらうなどいろんな方法があります。
身近な人に頼むのが難しい場合はシッターさんにお願いするのもアリでしょう。仕事として子どもを見てもらえるので安心して一人の時間が過ごせますね。
イヤイヤ期がない子もいる
「2歳からイヤイヤ期があるって聞いていたから、心づもりしていたけど、全然なかった。」「ないとそれはそれで心配。」と思う人もいるでしょう。
イヤイヤ期がないからと言って、病気や障害との関連性は特にないといわれています。
イヤイヤ期がない子の特徴をいくつか紹介します。
自分の思っていることが伝えられている

イヤイヤ期の子の多くが、言葉を覚えて伝えることができるようになると収まっていくことが多いです。
言葉を早く覚えている子は、自分の思ったことを言葉にして表現できるので、イヤイヤの原因を回避することができます。自分のことをうまく表現できる子はイヤイヤ期がない場合が多いです。
本人の性格

大人でもいろんな人がいるように、子どもも穏やかな子もいれば、気性が荒い子もいます。
特にこだわりがない場合はパパ・ママの提案に反抗することも少ないため衝突することがなく、イヤイヤ期がないまま過ごしていく子もいます。
親がうまくコントロールしている

イヤイヤ期では自分のやりたいことができないと癇癪を起すことが多いです。本人の欲求を親がうまくコントロールできていると癇癪を起すことが少ないといわれています。
日ごろから子どもの欲求を否定せずに、認めてあげていると、子どもは充足感が得られるので激しく癇癪を起すことも少なくなります。
まとめ
いかがでしたか?
今回はイヤイヤ期を乗り切れる近道の方法を紹介しました。
乗り切れる近道とは言っても「わかってはいるけど、できない!(´;ω;`)」そんな日もたくさんあります。
パパ・ママも人間!疲れたら無理をせず一息入れるために自分を甘やかしてあげてくださいね。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
今日はここまで☆